健康な歯のために(2)

シニアの皆様へfor Senior

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歯の「詰め物」を見直しませんか?

子供の頃に虫歯を治療し、暗い銀色の「詰め物」(専門用語で「インレー」と言います)をしている方には、詰め物の「見直し」をご検討いただきたいと考えます。現状の詰め物が「アマルガム」である可能性が高いからです。

 

アマルガムは1980年代初頭まで、代表的な歯の修復素材でした。加工しやすく耐久性に優れた合金素材で、150年以上も前から世界中で利用されてきました。しかし、1980年代以降、使用が避けられるようになりました。水銀の合金なので「そんな危険な物質を含む素材を口の中に留め置いて大丈夫なのか」と疑問符が付くようになったからです。

 

「アマルガムに含まれる水銀は少量で、人体への影響はほとんど認められない」という研究報告もありますが(この立場から、現在でもアマルガムを使用し続ける歯医者さんは存在します)、一方で「口内に留置すれば唾液による劣化・溶融は避けられないから、無害とは断言できない」という意見も多くあります。実際、溶けた金属のイオンが原因と疑われるアレルギー症状(水疱など)を訴える方は珍しくありません。そのため現在は、ほとんどの歯医者さんがアマルガムの使用を避けています。

 

現在の「詰め物」は安全性があります

当院も「少しでも疑問符が付いた素材は使うべきではない」と考えます。そのため、アマルガムフリーであることはもちろん、アマルガムの詰め物をしている方には、詰め物の交換をおすすめしています。

 

画像:コンポジットレジン修復模型現在使われている詰め物は、大きく分けて「メタルインレー」と「コンポジットレジン(硬質レジン)」があります。メタルインレーは合金素材ですが、水銀のような有毒金属は使われていません(「金銀パラジウム合金」という合金。金が含まれるが、色は銀色)。「見た目」はあまりよくありませんが、耐久性に優れ、費用もそれほどかかりません(健康保険が適用されます)。一方、コンポジットレジンは合成樹脂の素材です。自然な「見た目」が特徴ですが、メタルインレーより費用がかかるのが難点です(場所によっては保険が適用されません)。当院では、まず保険が適用されるメタルインレーでの修復をご提案し、ご要望とご予算を考慮した上でコンポジットレジンでの修復を承っています。

 

子供の頃に虫歯の治療で詰め物をしてそのままになっている方、現在している詰め物の素材が何か判断できない方、ぜひ一度、当院に健診にいらしてください。また、現在はメタルインレーだが、コンポジットレジンに替えたいと希望される方も、ご相談いただければと存じます。

 

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