「お風呂で歯磨き」のススメ

2015-07-04

歯を健康に保つ基本が、毎日の歯磨き習慣であることは、皆さんよくご存知のようです。とはいえ、しっかり磨けている人は、残念ながらなかなかいらっしゃいません。

 

釣りを楽しむ院長先生テレビコマーシャルなどで「歯垢染色液」で歯を赤く染めている様子をご覧になった方は多いでしょう(染色液の成分は食品着色料なので人体に悪影響はありません)。当院も歯磨きの指導をする際に使うことがありますが、皆さん驚かれます。歯磨きに自信を持っておられる方ほど、ショックは大きいようです。言い換えれば、それほど歯磨きは「難しい」のです。

 

よい歯磨きのコツは、じっくり時間をかけることと、鏡で見えないところほど気を配ることです。
時間をかけるのは当然でしょう。永久歯は上下合わせて28〜32本ありますから、1本1本ていねいに磨こうとすれば、それだけの時間が必要です。「もう十分に磨いた」と思っても、意外な個所に磨き残しがあるものです。
その典型が、鏡では見えない部分……歯の裏側や歯と歯の間などです。特に一番奥の歯の裏側は見過ごされがちなので注意してください。ここに気を配るだけでも、結果は相当違います。歯と歯の間は、なかなか歯ブラシが届かないため、後でフロス(歯間掃除用の糸)や歯間ブラシなどを使いたいところです。
これだけでも数分〜十数分は必要だとわかるでしょう。そうは言っても「歯磨きにそんなに時間を割く余裕はない」と言う声も理解できます(ただし「歯磨きの時間はほんの数秒」という方は「論外」です)。

 

「時間がない人」と言う人にオススメしているのが「お風呂での歯磨き」です。朝は忙しくて時間がとれない人でも、一日の終わりに湯舟につかりながら、のんびり歯を磨くことはできるのではないでしょうか。
その際、練り歯磨きは極力つけないでください。特に口の中がスッキリするタイプはお勧めしません。清涼感で「何となく磨けた気分」になってしまうからです。練り歯磨きなしでも、のんびりブラッシングすれば、かなりの歯垢を除去できます。「それでは磨いている気になれない」という方は、ごく少量だけ付けるようにしましょう。タップリ付けて口の中を泡だらけにしたところで、口内の「洗浄」はできるかもしれませんが、歯を「磨く」ことにはつながりません。